
「人間はみんな、ちがった目で星を見てるんだ。
旅行をする人の目から見ると、星は案内者なんだ。ちっぽけな光くらいにしか思ってない人もいる。学者の人たちのうちには、星をむずかしい問題にしている人もいる。ぼくのあった実業屋なんかは、金貨だと思ってた。だけど、あいての星は、みんな、なにもいわずにだまっている。でも、きみにとっては、星が、ほかの人とはちがったものになるんだ・・・・・」
「それ、どういうこと?」
「ぼくは、あの星のなかの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑っているように見えるだろう。すると、きみだけが、笑い上戸の星を見るわけさ」
そして、王子さまは、また笑いました。
「それに、きみは、いまかなしくなったら―かなしいことなんか、いつまでもつづきゃしないけどね―ぼくと知り合いになってよかったと思うよ。きみは、どんなときにも、ぼくの友だちなんだから、ぼくといっしょになって笑いたくなるよ。」
星の王子様 サン=テグジュペリ
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