1996年に日本で最初の真珠のECショップを開設し、決済システムの必要性からNTTリバイ、アコシス、キャピオン等の電子決済システム構築に関わると共に1999年からは国・地方行政からの依頼で、公務にて新規事業支援分野、特にEC・ベンチャー支援業務として各地を行脚しています。 2006年度から2年間、特任教授の肩書きで国立大学のお仕事をさせていただきました。素晴らしい仲間と多くの学びを頂戴しました。 2009年からは、日本の伝統産業である「真珠」業界の輝きを取り戻す為に5年振りにWEBサイトを再開します。 さぁ今日も朝の一言から頑張るか 岩城達夫 海からの贈り物ー真珠・イワキパール
2010年6月29日火曜日
2010年6月28日月曜日
2010年6月27日日曜日
海からの贈り物 パール倶楽部008
http://pearl.ne.jp/
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「海からの贈り物ー岩城真珠」 メールマガジン 008号
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2010年 6月23日
「ぼんやりの時間」辰濃和男 岩波新書
著者の辰濃和男は、1975年から1988年の13年間朝日新聞の「天声人語」を担当
し、日本エッセイスト・クラブの理事長を歴任した経歴を持つ。
新聞社と言うせわしい職場にいても、彼の心の中には常に一本の小さな蝋燭の
炎が燃え続けていたという。
それは「ぼんやりをたのしむ炎」だったと辰濃は言う。
締め切りに追われ、あと三十分、あと十分、あと五分、と言う状態に追い込ま
れるのはごく普通のことだったし、少し長いものを書く時は、徹夜、半徹夜の
つづくことが再三だった。
然しながら、あわただしい歳月の中でも「ぼんやりをたのしむ炎」を大事にし
てきたと。どんなにせわしい日々でも「ゆとり」とか「余裕」とかいうものは
心のうちに大切に仕舞っておきたいと言う気持ちだけはあったと。
現代では「ぼんやり」という言葉に否定的な意味合いが強く、それをわかった
上であえて辰濃は「ぼんやり」が生み出すプラスな要素を指し、「ぼんやりと
過ごす時間は、貴い!」と主張する。
横断歩道でぼーっとしているのは人命にかかわるし、入学試験や入社試験でぼ
やーっとしてしまう質(たち)の人はどうしても不利になるが、然しながら、
ぼんやりを「よからぬことだ」だと決め付けてしまうのもおかしい。
実際には、プラスになるぼんやりが沢山ある、生きる糧を与えてくれる、ごく
大切なぼんやりもあるはずだ。
ミヒャエル・エンデの傑作「モモ」の主人公は「ぼんやりしている時間」を大
切にする少女だ。
エンデのその作品は、時間泥棒の「灰色の紳士たち」が、人々から「時間」を
奪っていく物語だ。むだだと思われる時間を奪われた人々の暮らしはどうなる
か。それが「モモ」の主題だ。
ぼやーっとしている時間はそれこそ、むだそのものだ。効率至上主義者はそう
言うだろう。むだな時間を幾ら重ねても何の稼ぎにもならない。
灰色の紳士たち、つまり時間泥棒たちは、人々の心に忍び込んでは「むだな時
間を節約し、その分を『時間貯蓄銀行』に預けなさい」と誘う。
銀行に預けられた時間は、すべて灰色の紳士たちが生存するために使われてし
まう。いわば詐欺そのものなのだが、人々は詐欺とは気がつかず、せっせとむ
だな時間を削っては、その分、自分たちの生活を貧しくしてゆく。
モモは、何処からかふらりとその地にやってきた少女だった。土地の人たちの
好意で、古い円形劇場跡の一角に住まわせてもらうようになる。少女は、夜空
を眺め、夜空の発する「荘厳なしずけさ」をひたすら聴くのが好きだった。
モモにとっては、このぼんやりの時間はけしてむだな時間ではない。宇宙の静
寂の中で時を過ごすと言うのは、モモがモモらしく生きるための、大切な時間
だった。夜空を眺める時間を持つことで、モモは「荘厳なしずけさ」を感ずる
ことが出来たし、何よりもそう言う時間を持つことで、曇りのない目を持つこ
とが出来、灰色の紳士たちのインチキを見破ることが出来るのだった。
かなしいことに、私たち現代人は、夜空をしみじみと仰ぐ習性からしだいに遠
ざかっている。利潤とか、効率とか、管理とか、豪華さとか、スピードとか、
そういうものを生活の拠り所とする人々が増え、夜空を眺めるなんて無駄なこ
とだ、と思う人が増えてきた。
しかし、そのむだは本当にむだなことなのか。そういうむだがあるからこそ、
生活はむしろ、ゆたかなものになっているのではないかと著者は問いかける。
辰濃は3章で、「ぼんやり」と響き合う一文字、として次の5文字を挙げた。
「闇」----蛍と星とダークマター
「独」----独りでいること
「閑」----逆茂木に囲まれて
「怠」----「一日四時間労働」の夢
「懶」----心の余白
その中の「独」でアン・モロウ・リンドバークの「海からの贈り物」を取りあ
げた。そう、岩城真珠の大切なキャッチフレーズはリンドバークの書籍から借
り受けたのだ。
私の生まれた年(1955年)に刊行された本なので約55年も前の書籍になる。
リンドバークはしばらく家族と別れて浜辺の別荘に来ている。海での独り暮ら
しは快適なものだった。
「夜は浜辺に出て、星の下で、ひとりで横たわっていた。ひとりで朝の食事の
用意をし、桟橋で私が投げる餌を鴎がくわえては舞い上がり、また水面をめが
けて舞い降りてくるのを、ひとりで眺めていた。」
女性であるリンドバークは「女性がひとりであること」の大切さをしきりに説
いている。
「女は特に、一年のある時期、また毎週、毎日の一部を、ひとりで過ごすべき
だと思う。(中略)働く者には、いかに薄給でも、毎週一回の休みと、一年に
一度の休暇が与えられる。概して母親と主婦は、定期的な休暇のない労働者な
のである。つまり彼女たちは大量の無休階級なのであるが(後略)」
リンドバークは女性の抱えている家事や雑事のすさまじさを承知しているから
独りになること、「女には内なる静寂が必要である」と主張している。
その理由を辰濃は以下の文章で表現をしている。
人はたくさんの人びとの力に支えられて生きている。
私たちはそれを体験で知るようになる。
同時に人は、独りで生きている。
たくさんの人びとの力に支えられながら、同時に独りで生きている。
それは矛盾することではない。
人に支えられていると言うことへの感謝と、独りで生きる自立の決意、もしく
は勇気は、矛盾しない。
このように「ぼんやり」を紐解くと、今の私たちに特に必要なものなのかもし
れない。
最後に「ぼんやり」のことを簡潔に「あとがき」にまとめてありました。
「動、働、がんばり」
「静、休、ぼんやり」と。
著者の辰濃が二十代の最後の年、T社会部部長に呼び出されて「南太平洋に行
って来い。タヒチとかあっちの方だ」と大雑把な指示の元、東サモア、タヒチ、
フィージーに赴任したのが1959年だった。
戦場や人種暴動、難民キャンプなど多々な風景を見てきた辰濃がいまでもたっ
た一つの風景を選ぶ際には南太平洋で見た「若緑色の礁湖(しょうこ)」ラグ
ーンを選ぶと言う。
辰濃の「ぼんやり」は黒真珠のふるさとタヒチの海によって、育まれたのだろ
うか。
昭和の時代を振り返ると、辰濃が赴任して、その3年後の1961年に室井忠六が
フレンチポリネシア政府水産局長の招聘によりヒクエル島に赴き、約一年後に
黒真珠の養殖を成功させた。
ひょっとしたら、黒真珠養殖成功のニュース原稿を書いたのが、朝日新聞社の
辰濃和男だったのかもしれない。
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今回は「ブラック&ゴールド」を特別価格でご紹介
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┏┏┏ 20年分の感謝をネックレス込めて
┏┏ 黒真珠とゴールド南洋真珠ネックレス特集 ┏
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スペシャルコレクション 厳選 1点限り ┏┏┏
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http://www.pearl.ne.jp/event/2010_premium_blackgold.html
http://www.pearl.ne.jp/formal_pearl_necklace/NB101DS0TI053112SV.html
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パールクラブ(メルマガ)は「海からの贈り物ー岩城真珠」でお買い物をされ
たお客様へ、その後のご挨拶を兼ねてお送りしております。
また、ホームページ上のメルマガお申込を頂いた方や、岩城や山本の親しい
友人にもお届けしております。
ネックレスの糸換えやリフォームに関するお悩みなどありましたら、お気軽
にフリーダイヤルや問合せフォームからご連絡くださいませ。
問合せ用URL:http://www.pearl.ne.jp/inquiry.html
メールマガジン解除URL:http://www.pearl.ne.jp/magazine_kaijo.html
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海からの贈り物ー岩城真珠 発行者:岩城達夫
真珠運営会社 有限会社岩城真珠 システム運営 ITY株式会社
●URL:http://pearl.ne.jp ●URL:http://www.ity.jp/
お問い合わせ受付時間:平日10:00~18:00
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次回配信「Pearl Club」は、2010年7月6日(火)「サラダ記念日」の予定です。
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「ぼんやりの時間」辰濃和男 岩波新書
著者の辰濃和男は、1975年から1988年の13年間朝日新聞の「天声人語」を担当
し、日本エッセイスト・クラブの理事長を歴任した経歴を持つ。
新聞社と言うせわしい職場にいても、彼の心の中には常に一本の小さな蝋燭の
炎が燃え続けていたという。
それは「ぼんやりをたのしむ炎」だったと辰濃は言う。
締め切りに追われ、あと三十分、あと十分、あと五分、と言う状態に追い込ま
れるのはごく普通のことだったし、少し長いものを書く時は、徹夜、半徹夜の
つづくことが再三だった。
然しながら、あわただしい歳月の中でも「ぼんやりをたのしむ炎」を大事にし
てきたと。どんなにせわしい日々でも「ゆとり」とか「余裕」とかいうものは
心のうちに大切に仕舞っておきたいと言う気持ちだけはあったと。
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上であえて辰濃は「ぼんやり」が生み出すプラスな要素を指し、「ぼんやりと
過ごす時間は、貴い!」と主張する。
横断歩道でぼーっとしているのは人命にかかわるし、入学試験や入社試験でぼ
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ぼんやりを「よからぬことだ」だと決め付けてしまうのもおかしい。
実際には、プラスになるぼんやりが沢山ある、生きる糧を与えてくれる、ごく
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奪っていく物語だ。むだだと思われる時間を奪われた人々の暮らしはどうなる
か。それが「モモ」の主題だ。
ぼやーっとしている時間はそれこそ、むだそのものだ。効率至上主義者はそう
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ことが出来たし、何よりもそう言う時間を持つことで、曇りのない目を持つこ
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辰濃は3章で、「ぼんやり」と響き合う一文字、として次の5文字を挙げた。
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次回配信「Pearl Club」は、2010年7月6日(火)「サラダ記念日」の予定です。
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