2009年3月26日木曜日

タイミング


啐啄同時(そったくどうじ)

卵の中のヒナ鳥が殻を破ってまさに生まれ出ようとする時、卵の殻を内側から雛がコツコツとつつくことを「啐」といい、ちょうどその時、親鳥が外から殻をコツコツとつつくのを「啄」と言う。
雛鳥が内側から、親鳥が外側から、同時につつくことによって殻が破れて中から雛鳥が出てくる。


両方が一致して雛が生まれる
「機を得て両者相応じる得難い好機」のことを「啐啄同時」という。
親鳥の啄が一瞬でもあやまると、中のヒナ鳥の命があぶない、早くてもいけない、遅くてもいけない、啐啄とは同時でなくてはなりません。

自然の営みとは絶妙なタイミングで成り立っていることを、師と弟子に表した言葉が下記である。

僧、鏡清に問う、学人啐す、請う師、啄せよ
清云く、還って活くることを得るや
僧云く、もし活せずんば、人に怪笑せられん
清云く、また是れ草裏の漢 
     碧巌録(へきがんろく)

実は啐啄同時はもう一度ある。
それが巣立ちです。雛に自分で餌をとり自活していく能力が備わったとみるや、親鳥は雛に巣立ちを促します、雛もこれに応じて巣から出ます。
自立の瞬間です。

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